健康コラム
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Vol.150 子どもからお年寄りまで飲める家庭の常備薬/「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」
《のどからくる風邪に「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」》
前回、常備しておくと便利な風邪の漢方「天津感冒片」のご紹介をしたところ、「今までどんな風邪にも葛根湯を飲んでいた。間違いだったんですね?」「葛根湯よりも多い頻度で使う天津感冒片(てんしんかんぼうへん)とはどういうものですか?」という質問が多く寄せられたので、詳しく紹介します。風邪には大きく分けて青い風邪、赤い風邪、黄色い風邪があります。青い風邪はゾクゾク寒気がして、肩がこわばるなどの症状。赤い風邪はのどが痛い、口内炎ができる、熱っぽいなどの炎症がみられるもの。黄色い風邪は吐き気や下痢などお腹につく風邪です。
この中で寒気がするときは葛根湯がよく効きます。しかし、寒気は比較的初期だけなので長く葛根湯が必要なことはほとんどありへんません。のどが痛い、熱っぽいというときはとにかく早めに「天津感冒片(てんしんかんぼう)」です。構成生薬の主役はスイカズラの花「金銀花」や連翹(れんぎょう)です。これらは抗菌抗ウイルス作用があり、気管支についたウイルスをやっつけ、桔梗や牛房子(ごぼうの種)が炎症やのど痛みを改善してくれます。その他いくつかの生薬が組み合わされていますが、熱だけを下げる解熱剤ではないので、早く飲むことで風邪の治りが早まります。
すぐに扁桃腺が腫れるタイプや、必ず熱が出て喘息のようになるという方も天津感冒片をお勧めすると「漢方でここまで早く良くなるとは!」と驚かれます。妊娠中でも飲めますし、とにかく早めであればあるほど効果大なので、家庭の常備薬としてお勧めですよ!