2020.04.14　若年者でもCOVID-19重症化に警戒を

医療従事者専用の医療系サイトの転載内容です／4月7日の記事

　新型コロナウイルス感染症（COVID-19）重症化の危険因子として、高齢であることが挙げられる。しかし、海外では乳児を含む20歳代以下の死亡例が、日本でも若年者の重症例が報じられている。

【米国で入院を要する患者の20％は20〜44歳】

　これまでの報告から、高齢者や基礎疾患がある人ではCOVID-19が重症化しやすいと考えられている。しかし、あらゆる世代で新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）の感染者が発生しており、基礎疾患のない若年および中年世代でも重症例が増えることが懸念されている。

　米疾病対策センター（CDC）の発表によると、2月12日〜3月16日に米国で報告されたCOVID-19患者は4,226例だった。年齢が判別できたのは2,449例で、内訳は85歳以上が約6％、65〜84歳が約25％、55〜64歳および45〜54歳がそれぞれ約18％、20〜44歳が約29％、19歳以下が約5％だった。

　入院を要したCOVID-19患者508例の内訳は、65歳以上が約45％、20〜64歳が約55％、そのうち20〜44歳は約20％を占めていた。集中治療室（ICU）に入院した121例では、65歳以上が約53％、20〜64歳が約48％であり、ICU入院率は75〜84歳で11〜31％程度が、20〜44歳で2〜4％程度に上る。また、死亡44例の内訳は、85歳以上が15例（約34％）、65〜84歳が20例（約46％）で、20〜64歳は約20％に相当する9例だった。

　これらを踏まえると、重症化リスクは高齢者で高いものの、若年者の重症例や死亡例も一定数存在することが示唆される。CDCは「COVID-19は、全ての成人でICU入院や死亡につながる重篤な症状を起こしうる」としており、幅広い年代でCOVID-19拡散防止への対応が求められそうだ。