2016.11.29　亀の甲羅をつかった亀板製剤の力。不妊や老化防止、美容や滋養強壮、足腰を丈夫に！など様々なトラブルに

日曜日は北陸中医薬研究会の定例会でした。

講師には中医師の劉暁非先生にお越しになっていただき、亀の甲羅を元にした生薬「亀板（きばん）」の効能効果を指導していただきました。

「ツルは千年、亀は万年」

というように亀はとても生命力の高い生き物として、漢方薬の原材料として用いられます。
亀は中国で龍・鳳・麟とならび四大霊獣と呼ばれ、昔から不老長寿のシンボル。
中でも亀は唯一の具体像のある生き物です。

実際に当店で扱われている亀板（亀の甲羅）の元となっている亀の養殖池の中で最高齢の亀は推定２２００才だそうです。しかも、その年齢で今なお卵を産み続けているそうです。
また動物実験でもカエルと亀の心臓をそれぞれ体から摘出した後の活動時間を比較すると、カエルは２時間で心臓が停止するのに対して、亀は４８時間活動を続けます。
その生命力に驚きです。さらに亀の細胞分裂回数は１１０回といわれ、人間の５０回を優に凌ぎ、長寿遺伝子の持ち主であるということもその生命力の高さの裏付けといえるでしょう。

亀板の帰経（体のどこに作用する）は五臓の「腎・心・肝」で、中でも腎に作用しやすい補腎薬として重宝されます。

東洋医学での「腎」の働きは多岐に渡り、水液代謝・骨代謝・内分泌・呼吸・免疫・生殖・成熟・老化・脳・髪・耳・腰足・膀胱に影響を及ぼすと考えられます。
例えば腎臓ではカルシウムを吸収させやすくする活性型ビタミンDの生成が行われます。
「腎＝骨」とイメージではすぐには結びつかないようなことも中国伝統医学では２０００年以上前から、解剖学や成分分析などに頼らずとも観察学のみでその理論体型を構築し、現代の医学にも通用できるところが普段から漢方に触れていていつも驚かされる点と言えます。

ちなみに亀板が初めて医療として使われた記録は中国の代（２６５〜４２０）の時代の有名な医師・葛洪が母親の大病後の体力回復を目的として使用したものが残っているそうです。
その際に３日間煎じてドロドロのシロップ状になったものを服用させたという記述があり、当店の亀板をつかった漢方も、その記録に基づき７２時間以上煮込んだものを現在でも使用しているそうです。

【効能】
亀板膠（亀の甲羅を煮詰めたもの）：補腎填精　滋陰潜陽　強筋健骨　養血補心

補腎填精とあるように精力（生命力）を高める目的があり、女性には不妊でお悩み方にもよくお勧め致します。亀板は陰の極みということもあり、生理周期の中の低温期＝卵胞期は陰陽の陰にあたり（ちなみに高温期は陽）卵を育てる大事な時期に使用すると卵のグレードを高めるお手伝いをしてくます。
また陰液（体液や血液の元）を増やす作用もあるので、女性の肌の潤いを補いことや、お年を召して乾燥肌という方など美容や、冬の乾燥肌対策にも大変オススメです。
その他にも、足腰を丈夫にしたり、おしっこトラブル（夜尿症も含め）、聴力低下などの老化防止などにも幅広く使える動物性生薬製剤です。

味も甘めに煮詰めたプルーンのようなもので大変飲みやすくなっており、身近な滋養強壮から慢性的な足腰の弱り、おしっこトラブル、肌の潤いを高めて美肌を希望の方へ、不妊症でお悩みの方など様々な方に活用できる漢方です。

色々な可能性をもった亀板製剤に今後も着目していきたいです。