2017.08.30　中医不妊症講座〜男性不妊、卵巣機能低下、不妊治療の先の真実〜

先日の日曜日、不妊症の知識を高めるため東京へ行ってまいりました。

中医学（中国伝統医学）のエキスパートである3人の先生方と西洋医の先生のハイレベルな講義は非常に得るものが多く、頭の中では当店にお越しいただいている様々なお客様の顔が思い浮かび、処方選択やケアに早速役立つものでした。

はじめの講義には産婦人科医で、「卵子がよみがえる」の著者でもある小杉好紀先生のお話をお聞きすることができました。脳が熱くなるほど刺激を受け帰路につきました。

最新の遺伝子のお話はあまりに壮大。現在医学は早発閉経の方の出産や、核移植や自家移植によって時計の針を巻き戻す新時代に突入しているようです。遺伝子解析によって祖先の食べていたものまで推測できるというのですから驚きです。

自分たちが食べているもの、過ごす環境が子孫の健康状態に大きく影響を及ぼすことは責任重大です。

一見ミクロな話なのかなと思いましたが、非常に全体を見据えた考え方で、どうしたら人間が本質的に自分の持っている力を最大限に引き出せるか、ということを自然界との関係性も踏まえて総合的に捉えているところが東洋医学と共通している部分に感じました。

脳神経は再生することはないと言われていましたが、現在では脳神経は再生することが証明されているようです。
例えば、感動すると幹細胞から新しいネットワークがつくられ、遺伝子が踊りだすそうです。

つまり、「素晴らしい！」と感じたり感動することが細胞を活性化し、若々しさを保つためには必要ということです。それが卵子の向上につながると断言していらっしゃいました。
年齢の壁を超えて妊娠する秘訣は「卵子の質を向上する」こと。

高齢出産はリスクばかりが言われますが、過去の偉人にも40歳以上の高齢出産で産まれた人が少なくないということや、20代、30代、40代で出産した子では40代で出産した子の方が高校生時の知能・発育ともに高いという研究データまであることには非常に驚きでした。

ミトコンドリアというと聞いたことがあるかと思いますが、人間はミトコンドリアでエネルギーを得ています。生命力には代謝に関わる２つのエネルギー源があり、一つは解糖系と呼ばれる回路でもう一つはミトコンドリア系の回路です。
このミトコンドリアは精子にはほとんどなく、卵子には10万個あるそうです。

このミトコンドリアや代謝の活性法について
今注目されているＡＧＥ（終末糖化産物）の改善法について非常に参考になりました。
早速店頭でお伝えしていきたいと思います。

原始卵胞を目覚めさせ、ＡＧＥの代謝を減らすためには私が普段から用いている丹参製剤がよい効果をもたらすことや、ＡＧＥは様々な物質からできているため何か一つの成分や対応で除けるものではないということ。天然成分をいろいろと組み合わせたほうがよいということからも漢方の有用性を大いに感じました。

今回の講義を受け、妊娠力を高めるためには総合的な取り組みが必要だと改めて気づかされました。その一つの方法として、漢方薬の力を借りてできることをこれまで以上に突き詰めて、妊活で頑張っていらっしゃる皆様にしっかりと生かしていきたいと思いました！！