2020.04.14　「コロナうつ」予防のための11カ条／日本うつ病学会、国際学会の提言を公開

医療従事者専用の医療系サイトの転載内容です／4月9日の記事


　日本うつ病学会は4月7日、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）パンデミック期におけるメンタルヘルスの維持に関する国際学会の提言を翻訳し、公式サイトに掲載した。日本では同日に政府が緊急事態宣言を発令したばかり。国民や医療従事者の間で不安や疲労が広がっており、「コロナうつ」や「コロナ疲れ」といったメンタルヘルスに関わる懸念も生じている。提言では、心の健康を保つ自己管理術として「11カ条」を掲げている。

【体内時計の乱れに注意】

　世界的に感染者数と死亡者数が増加の一途をたどるCOVID-19。感染に対する恐怖心や不安感、政府や地方自治体などによる外出自粛・休業要請とそれに伴う日常生活および就業形態の変化などにより、非感染者においてもメンタルヘルスへの悪影響が懸念される。既に「コロナうつ」「コロナ疲れ」「コロナストレス」などの言葉が生まれ、一部の専門家らが警鐘を鳴らしている。

　今回の提言は、国際双極性障害学会（International Society for Bipolar Disorders；ISBD）の時間生物学・時間療法タスクフォースおよび光療法・生物リズム学会（Society for Light Treatment and Biologic Rhythms；SLTBR）によるもの。日本うつ病学会が7日、翻訳版を公式サイトに公開した。

　提言が最も重要視しているのは、体内時計の同期（概日リズム）だ。概日リズムの乱れはさまざまな精神疾患の発症リスクを高めることは周知の事実だが、特にうつ病や糖尿病、肥満、がんなどの患者では、病状の悪化にもつながりかねない。自宅待機や在宅勤務などにより生活リズムが崩れることで、基礎疾患がない人でも概日リズムが乱れるリスクがある。そのため、COVID-19の恐怖心や不安感を和らげる観点も踏まえ、日常生活を規則的に送るための自己管理術を「11カ条」としてまとめている（表）。