63歳男性。1年前から両手両足に皮向けが起こり、黄色く固くなっていき、初診時にはかかとはパックリとひび割れていました。とてもひどい状態で、歩くのも痛いようでした。
掌蹠膿疱症と診断され、2、3か月ステロイドを塗ったものの、全く効果がないということでご相談に来られました。
機械関係のお仕事をされていて、休みはなくとてもハードな生活とのこと。
腸が弱く、下痢しやすい、たばこは3年前にやめ、ウイスキーとビールは毎晩飲む。
コーヒーは1日1杯、便通は2日に1度。
皮膚トラブルには必ず腸の問題があります。それは自覚症状がなくてものことですが、この方は元々腸が弱いようです。
腸を掃除し、皮膚の炎症と解毒作用のある漢方薬を3種類ご提案し、腸内環境を整えるための食事についてもお話させていただきました。
1か月後、黄色い痂皮が少し薄くなり、足裏、手のひらともに良くなっていて変化がでてきました。お酒は飲み続けているようですが、乳製品、甘い物、コーヒー、ハム等好きなものを控えているとのことです。
さらに2か月後、まだまだ足のひび割れは痛むものの、よくなってきていて3か月後には厚くかぶっていた足の痂皮が薄くなり足の皮膚がみえてきました。相変わらず多忙で休めず、お酒も飲んでいるとのことでしたが、この方はとても真面目に食養生をされていて、漢方も毎日きっちり飲まれていたので、どんどんよくなっていき、1年経った現在はこの通り
多少かかとが固くなっているものの、すっかりよくなって、
手もこの通り、ほぼ、元通りに戻っています。
飲み始めの頃は「ほんとに改善するのかなあ〜」という思いだったそうですが、今ではとても喜んでいらっしゃいます。
掌蹠膿疱症は、年齢問わず多くご相談ある疾患の一つで、ステロイド剤が出されることが多いようですが、多くは効果が得にくく、体の内からのアプローチが必要になってくると思います。
掌蹠膿疱症は特に食養生と清熱解毒(炎症を鎮め毒を出す働き)のある漢方薬で症状の改善が見られやすいと感じています。
この男性の以外に60代の女性のお客様でも、掌蹠膿疱症の罹患された方で漢方薬とは別に朝のスムージーを止めたら治りが早くなったという方もいらっしゃいました。
このお客様はご自身でスムージーを始めてから発症するようになったと自負されており、これまでの人生で毎日果物を摂取することがなかったので、すぐにご自身で気づいたそうです。
一見健康そうに見えるスムージーでもアレルギーを引き起こしやすいバナナ、キウイ、メロン、パパイヤ、グレープフルーツ等のを混ぜることも多いと思います。
掌蹠膿疱症自体はまだ原因不明で明確な治療方法が確立されていない疾患ですが、歯科治療に用いられる金属が原因である金属アレルギーや、このスムージーの女性のケースのように食品によるアレルギーが関与するというケースもあるようです。
人間は老化とともに免疫が低下します。それが原因で皮膚等の慢性病に悩まされ、長い治療を強いられることもあります。
病院や漢方治療だけに頼るのではなく、身近な生活習慣等も見直すことが皮膚病改善にとても重要な点だと思います。