2018.04.25　脾胃学説の応用勉強会で大阪へ

先日の日曜日は、大阪へ勉強会に行ってまいりました。

テーマは「脾胃学説の応用」。脾胃とは、ざっくり言うと消化器系の事です。
胃が痛いとか、便が出ないとかそういう直接的な胃腸症状がなく、自覚がないままに進行ている脾虚（ひきょ：消化器系の機能低下）の怖さについて、詳しく勉強しましたが、
まさに自分の事？！と思う人が多いのではないかと思うほどに現代人の核心をついていてとても面白い内容でした。

腸管の内側に薄い粘膜層があり、この部分に腸内細菌が棲みついているのですが、現代人はこの粘膜層が薄い「ひからび腸」が多いようです。肌は乾燥し、便秘、疲れやすく、食べても栄養にならずに貧血ぎみ。水が必要なところにはいかず、いらないところから出る典型がおりもの過多。
ひからび腸の人は、漢方にしろ医薬品にしろ効きにくい。

この場合の漢方薬の使い方についても納得のいくところが多く、
実際に、店頭でも、このタイプに漢方薬を用いると、おりものが止まり、皮膚の潤いがでたり、貧血がよくなったり、ということがあります。
脾虚（ひきょ：胃腸虚弱）の方の貧血には補血よりも健脾が大事なことを実感する日々です。

ひからび腸は、抗生物質の使い過ぎ、元々の胃腸虚弱が年月をかけて弱っていった、生活習慣などが原因のようで、この腸内細菌の住処である粘膜層が充分にないと、腸内細菌が住む場所がないために減っていきます。腸には乳酸菌！と、乳酸菌飲料をどれだけとっても無駄ということで、腸の立て直しが何より重要。
日本では抗生物質が大量に使われています。小さい子供でも風邪をひくたびに使っている場合もあります。
最近の研究ではうつ病が子供の頃の腸内細菌との関係性が深いということまで分かっているようです。子供の頃にどのような食事をし、どんな生活をし、どのような薬品を使うかは晩年に渡って影響力があるようです。

「養生7分」の大切さも改めて実感。
方剤（漢方）30％、養生70％を肝に銘じながら改善に努めることです。

当店で相談をしていてもいつも気になることですが、「冷たいものには気を付けて常温にしている」ということがよくあります。
「常温のもの」は養生から言うと×です。常温のお水も、体温と比べると20度近く違うこともあります。

昔の人と今の人の”冷たい”は違うというお話は納得。
昔の人にとって”冷たい”ものは「冷めた」もの。冷めたお茶や冷や飯。
今の人にとっては冷蔵庫や冷凍庫に入っていたものや氷が入っているもの。
年間通して体温以下のものを体に入れないということができるだけでもかなりのトラブルが減るのではないでしょうか。

また、夜ご飯が9時10時という生活の方も多いはず。
学習塾に行っているお子さんにも多いようです。
歯ぎしりが多い人は夜遅い食事であることが多いようです。
胃に食べ物が残ったまま寝ると食毒がうまれ、老廃物など溜まりやすくなります。
夜中に肝臓が充分に働かず、体の修復ができないため、遅い食事の人は体の修復能力が弱いということが言えます。

そして早食い。
よく噛むことで、食べ物が細かくなり消化されやすくなり、また、食べ物が冷えていてもその温度を上げることができます。
消化酵素の至適温度は37度。冷たいものを食べていたら消化酵素は働きません。

食養生のポイントは
�@食べる時間：可能ならば夕食は6時。遅くなるならば軽めにする。
�A温度：体温以上のものを口にする習慣。冬のビールなどはもってのほか！
�Bかむ回数：20回以上噛む習慣。

何を食べるかはもちろん重要ですが、とにかくこの3つだけでもまずは実践してみましょう。