2018.06.01　北陸中医薬研究会定例会ー女性の妙薬「婦宝当帰膠（ふほうとうきこう）」４０周年記念シンポジウム　〜不妊治療の臨床報告〜

先週の日曜日に定例会に行ってまいりました。

今回は当店でも大変人気の『婦宝当帰膠（ふほうとうきこう）』の発売４０周年を記念して東京で開催されたシンポジウムの生中継を聴講してきました。

婦宝当帰膠は古来より、婦人の妙薬として使用されてきました。
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（婦宝当帰膠　http://kocyoudou.com/fuhotokiko.html）

中国では当帰養血膏という処方名で販売されています。
名前のごとく、血をしっかりと養って体を整えるという漢方薬です。

女性は生理によって血液を一生で63000㎖（63ℓ）も消耗すると言われています。
血液の不足は体に様々な症状を引き起こします。
※貧血とは異なります。貧血は同じ質量の中での成分量で判断されますが、この場合は単純な質量が十分に補われているかを重要視します。


めまい、動悸、冷え、不眠（特に夢をしょっ中見るのは、血液不足の典型です）、生理不順、生理痛、痺れ、頭痛、肩こり、髪の毛が切れやすい・抜けやすい、爪が割れやすい、目が疲れやすい・奥が痛む　など血液不足による症状は多岐に渡ります。
特に婦人科トラブルには、この『血』が重要になります。

今回のシンポジウムでは山東中医薬大学付属病院の中西医結合生殖・遺伝センターの孫振高副教授・主任医師をお招きをして「婦宝当帰膠の子宮内膜受容性に対する影響〜IVF-胚移植反復失敗例における臨床観察結果」をテーマに講演して頂きました。

ちなみこちらの大学病院の中西医結合生殖・遺伝センターの年間の外来患者数は38,000人を超え、1日で多い時は300人を超えるそうです。

研究報告内容としてはセンター内でIVF/ICSI（体外受精／顕微授精）を実施した40歳以下で、新鮮胚移植あるいはFET（凍結胚移植）を２回以上、３個以上の優良胚を元に臨床妊娠を確認できなかった66名を対象に婦宝当帰膠の有効性をみるものでした。

治療組：婦宝当帰膠＋ホルモン補充
対象組：ホルモン補充のみ

と分け、持続妊娠率、陽性妊娠率、臨床妊娠率、妊娠損失率の割合を研究結果として報告して頂きましたが、どれもその有効性に驚かされるものでした。

研究結果を受け、婦宝当帰膠が女性にとって本当に素晴らしい漢方薬であるということを再認識させられました。


実際に、2ヶ月ほど前にふらっと来店された女性の方に「婦宝当帰膠を飲んでみたい」と依頼され、そのお客様からつい先日、

『左の卵巣から卵胞が確認できました』

と報告を受けました。
よくよく話を伺うと２箇所の婦人科から左の卵巣が機能しておらず、卵胞ができないと診断されていたそうです。
漢方薬を足しただけの生活だっただけに本人様もとてもびっくりされており、今回の研究結果も併せて、改めて漢方の奥深さを知るところとなりました。



ちょっと余談にはなりますが、金沢を舞台にした映画「武士の献立」の一幕で、富山の薬売りが主人公の上戸彩に、

「婦宝当帰膠、いかがです？子宝に恵まれますよ！」

というシーンがあります。
本来江戸時代には婦宝当帰膠という名前の処方は存在しないのですが、もしかしたら脚本家の方の実体験がこのセリフを生んだ背景になっているのかもしれませんね（でも時代考証としては完全に間違ってはいるのですが 笑）。