2018.10.16　不妊カウンセラー養成講座へ行って参りました

先日の土日は東京で2日間、第43回不妊カウンセラー養成講座に参加してきました。
曇り空でしたがなんとか雨に降られず。
今更ですけど、金沢―東京間も近くなったなあ〜と思いながら。

たくさんの先生方の講演がありましたが、どれも自分のスキルアップにつながるものばかりで充実した2日間となりました。

特に「甲状腺と糖代謝」のお話と「慢性子宮内膜炎」のお話は不妊に直結する内容でそれぞれが日本を代表する専門家の最先端のお話が聞けて大満足！

甲状腺の働きと糖代謝は、妊娠前、妊娠中にはきちんと把握しておかなければいけないところであり、特に甲状腺機能低下症は不妊に大きく関係してきます。
甲状腺機能の数値に関しても関心を持ち、特に顕性甲状腺機能低下症を見逃さないことが重要。
甲状腺機能亢進症の場合は、妊娠合併症や胎児への影響のリスクはありますが、適切な治療が行われればそのリスクは軽減できます。しかし治療薬に使われるチアマゾールは先天異常が増えるため、主治医の先生に妊娠希望のことを伝え、適切な使い分けをしてもらうことが重要です。

また、糖尿病があることを知らずに妊娠すると先天異常児が生まれる率は高まり、HbA1cが8，5を超えると4人に1人の割合だという統計があります。妊婦自体にも網膜症が進み、失明に至るケースもあるようです。2型糖尿病は予防可能な疾患ため、妊娠前からの血糖コントロールが重要で、HbA1cは7，0以下に抑えておくことが大事です。

やせ、肥満も不妊原因になります。排卵障害を引き起こしやすくしてしまうため、妊娠の準備として、体重管理も必要になります。肥満の方が、いきなり排卵誘発剤を使用することはよくないため、やせてから使用するほうが妊娠率もぐっと高まるようです。
体が無月経になっている時というのは今妊娠したら母子ともに危ない！と体が守ってくれている状態です。ストレスやダイエットなどがきっかけで無月経になる方も多くいます。特に急激な減量で生理が止まった方の場合は、体重を戻さずに排卵誘発することは危険なため、体重を戻すことがなにより大切。体重が戻れば生理もどる確率が高まります。

2日目の講演には「慢性子宮内膜炎」のお話がありました。
慢性子宮内膜炎は着床障害の原因の一つだということが分かってきているようです。原因は主に細菌やウイルスのようですが、感染経路は必ずしも膣からだけではないようで不明なようです。子宮頚管園や細菌性膣症ともあまり関係はないよう。
興味深いのは、子宮内膜ポリープと子宮内膜症は子宮内膜炎との関係が深いようで、内膜症とポリープのある人は子宮内膜炎を調べたほうがよいようです。
子宮ポリープがあると妊娠率が下がるのではなく、子宮ポリープがある人が慢性子宮内膜炎に罹患しやすいため、着床しずらいのであって、ポリープ自体が問題ということではないようです。

不妊の原因は多岐に渡ります。さまざまなケースに対して漢方でどのようなサポートができるか。特に慢性子宮内膜炎には漢方がいろいろと使えそうですし、むしろ、漢方だからできることがあると思います。
さまざまなケースに合わせて細やかに対応できるよう日々勉強ですね。